海上交易都市
「原の辻遺跡」
文責 松崎靖男
4.南北に市糴すA
このように交易で繁栄した原の辻は、倭人の力だけではなく渡来人の貢献もあったようです。
つまり、大陸系や半島系の人々が多く居住していたことが考えられ、川沿いの地域では一種の居留地のような様相を呈したと考えられています。
環濠の北西部の幡鉾川近辺の居住域では、大量の朝鮮系無文土器、擬無文土器が発掘されました。
擬無文土器とは、無文土器を模して現地で焼かれた土器のことです。このことにより、半島系の人々が多く居住していたことが証明できます。
原の辻で発掘された擬無文土器は、弥生時代中期後葉に相当するもので、日本本土でこの時期以前のものは、ほとんど出土していません。
このことは、……
図1.弥生時代の朝鮮土器である無文土器
貨幣の代替品としての可能性も