海上交易都市
「原の辻遺跡」
文責 松崎靖男
4.南北に市糴す@
原の辻は、「魏志倭人伝」に 「南北市耀(なんぼくにしてきす) 」と記されたように、
初頭より船着き場を備えた海上交易都市として誕生しています。
「糴」は(てき・かいよね)と読み穀物を買うことです。「南北市耀」を文字通りに解釈すると、南の九州本土や北の朝鮮半島に米を求めて交易を行っていた、
となります。これは「南北市糴」の前文、「差有田地(やや、でんちあり)耕田(たをたがやして)猶不足食(なお、
しょくするにたらず)」の状況を解消する手段だと考えると納得できます。
しかし、……
図1.素材として輸入された板状鉄斧
貨幣の代替品としての可能性も